【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「アヤちゃんを綺麗にしてあげるかわりに、僕からのお願いも聞いてくれないかな」

RYOさんの人差し指が私の涙をすくい、ぺろっと舌でなめた。

「お願い?」

「そう。だってアヤちゃんはお金持ってないでしょ。本当は僕、お金をもらってメイクしてるんだ。これが仕事だからね。でもアヤちゃんにはそれが無理だ。だから…」

そう言いながら、RYOさんはその大きな手で私の髪をやさしくなでる。

――まただ。

RYOさんの魔法の手。

癒しっていうのかな。

触れられるとすごく気持ちがよくて、私は従順になってしまう。

「アルバイトしにきて。毎日とは言わない。そうだね、一日おきでもかまわないから」

「でも、何をしたら…」

「電話番とかそうじとか、その程度」



私はRYOさんとの交換条件に応じた。





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