【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「いい加減、彼女から離れなさいよ。見てごらんなさい、泣きそうな顔してるわ」

そのとおり。

私、涙がたまってて今にもこぼれそう。

「ちぇっ、いいところだったのに」

ようやく体を離す麻生くん。

え?

いいところって何?

わざとやってたの?

「ごめんなさいね、母一人子一人でちゃんと教育していなくて」

麻生くんのお母さんが私の肩をそっとなでた。

「いえ、そんなこと…」

それ以上言葉が出なかった。

だって、麻生くんのお母さんて何歳よ?

めちゃくちゃきれい。

モデルさんなの?

私は目の前にいる麻生くんのお母さんにすっかり目を奪われてしまった。



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