【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
それでも次の日、やっぱり行くところがなくて、私はRYOさんのマンションへやってきてしまった。

「いいよね、時間までいさせてもらっても」

自分自身に言い訳しながら、ドアを開ける。


――あれ?


私は玄関で立ち止まってしまった。


今日は誰もいないはずなのに、靴が二足並んでいたのだ。

一つはたぶん、RYOさんのもの。

そしてもう一足はエナメルのパンプス。


――予定が変わったのかな。


「RYOさん」と声をかけようか迷っていると、中からちいさな喘ぎ声が聞こえてきた。


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