【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「沢木さん、嘘つかないで。僕でよかったら相談に乗るよ。少なくとも男の気持ちはわかるから」

「麻生くん…」


麻生君はとても穏やかな顔で私を見つめていた。

さっきまでの無表情が嘘のように。



「君が悩んでいるなんてほっとけないんだ…」



麻生君は小さな女の子にするみたいに、やさしく私の頭をなでる。

そして、私もまるで小さな女の子のように素直にうなずく。



麻生君は信用できる人。

こんなに近くに二人きりでいるのに、変なことなんかしない。

いつも紳士的でやさしくて…。



だから、大丈夫よね。

彼になら話しても。

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