【完】大人の世界～甘美な毒に魅せられて～

「あのね…。私、最近変なの」

麻生君は微笑みながらうなずく。

その顔を見ていたらなんだかとても安心してしまって、私は自分の気持ちをさらけ出す。



「私ね、今アルバイトしてるの。そこにいる人のことがすごく気になってしまって…」

麻生君は黙って私の言葉に耳を傾ける。

やさしい彼の微笑みの前ではついつい饒舌になってしまった。

「その人が女の人とキスしてるところを見てしまって、それから私おかしいの」

さすがに、本当のことは言えなかった。

ありのままを話してしまったら、麻生君になんて思われるだろう。

人のセックスを盗み見て興奮する変態…だよね。