【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「麻生くん…?」
次の瞬間麻生くんの手が私から離れた。
そして彼は背を向けてしまった。
その肩が小刻みに震えているように思えた。
私は恐る恐る問いただす。
「どうしたの?」
麻生君は肩で大きく息をしていた。
まるで自分の気持ちを落ち着かせようとするみたいに。
「沢木さんの相談に乗るだなんて言っておきながらさ、僕のほうが嫉妬してしまったみたいだよ」
「え…?」
麻生君は振り返らなかった。
私にその表情を見せることなく言葉を続ける。
「僕じゃ…僕じゃだめかな?」
「ちょ、ちょっと待って。麻生くん、私言っている意味がよくわからない」
そうだよ。
だってそんな言い方、まるで告白みたいじゃない。
そんなこと…ありえないよね。
次の瞬間麻生くんの手が私から離れた。
そして彼は背を向けてしまった。
その肩が小刻みに震えているように思えた。
私は恐る恐る問いただす。
「どうしたの?」
麻生君は肩で大きく息をしていた。
まるで自分の気持ちを落ち着かせようとするみたいに。
「沢木さんの相談に乗るだなんて言っておきながらさ、僕のほうが嫉妬してしまったみたいだよ」
「え…?」
麻生君は振り返らなかった。
私にその表情を見せることなく言葉を続ける。
「僕じゃ…僕じゃだめかな?」
「ちょ、ちょっと待って。麻生くん、私言っている意味がよくわからない」
そうだよ。
だってそんな言い方、まるで告白みたいじゃない。
そんなこと…ありえないよね。