【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
RYOさんは黙って最後まで話を聞いていた。

泣きじゃくりながら話し続ける私をなだめようとするかのように、時折背中をさすりながら。



――日が落ちていた。

間接照明だけが照らすガラスのテーブルに、カタンとマグカップが一つおかれる。



「ミルクティー、アヤちゃん好きでしょ?」


白磁の碗から白い湯気が踊る。

私の気持ちが落ち着くのを見計らって入れてくれたRYOさん。

その優しさがつんと鼻の奥に染み入る。


こくんとうなずく私の手の中にRYOさんは白磁の碗をおさめた。


「あったかい…」


ぬくもりが伝わる。

RYOさんのやさしさが伝わる。







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