【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「二人とも大切だから身を引くってことか…」

白磁の淵に唇を寄せる。

甘い香りが鼻腔に届いた。

「で、アヤちゃんはそれでいいの?」

さっきとはまた違う真剣なまなざしが私に注がれる。

RYOさんの瞳はきれい。

その瞳はすべてを見透かしてしまいそうで。

私の鼓動は少しだけ早まる。



――隠してしまったもう一つの本心。



まさか見抜いたりしてないよ…ね。






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