【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「それに元に戻るって、俺にはその意味がわからない」

「ごめんなさい。せっかくRYOさんがきれいにしてくれたのに」

「そうじゃない!」


少しだけ語気を荒げたRYOさん。

体がびくっと震える。


「違うよ、アヤちゃん。僕が君をきれいにしてあげたんじゃないよ。君が君の力できれいになっただけなんだ」

「え…?」

「つぼみが開きはじめただけ。僕はちょっとだけ水をやったに過ぎない」

慈愛に満ちた柔らかな表情がそこにあった。



「元に戻るも何も、今ここにいる君が君なんだよ」



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