【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「ちょ、ちょっと待って。シナリオって…?」
別人みたいだった。
優しくて聡明で美形の麻生くんではなかった。
顔が真っ赤に紅潮し、眉間に深い皺が刻まれている。
白目が充血し、まるで鬼の形相だ。
「君は僕に心惹かれ、やがて恋をする。そして僕に告白するんだ」
「何、言ってるの? わかんない、わかんないよ」
――バタン。
椅子が倒れた。
私は身の危険を感じ、麻生君から離れようと壁際に寄る。
別人みたいだった。
優しくて聡明で美形の麻生くんではなかった。
顔が真っ赤に紅潮し、眉間に深い皺が刻まれている。
白目が充血し、まるで鬼の形相だ。
「君は僕に心惹かれ、やがて恋をする。そして僕に告白するんだ」
「何、言ってるの? わかんない、わかんないよ」
――バタン。
椅子が倒れた。
私は身の危険を感じ、麻生君から離れようと壁際に寄る。