【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「最近、おかしいのよ。あの子。…ごめんなさい、あなたにこんなこと言うなんて」
私は声を出せないかわりに、頭を横に振る。
「ありがとう。怖かったでしょうに」
こうして間近で見ると、あらためて麻生くんのお母さんの美しさにはっとなる。
高校生の息子がいるとはとても思えないほど、美しく、そして艶やかだった。
「私ね、夫と死に別れているの。十年前に、事故で」
そんな悲しげな微笑みも妖艶で女の私ですらどきっとしてしまう。
「夫は小さな芸能プロダクションを経営していたの。だから、夫が死んだあと私が社長となって必死に働いてマコを育ててきたわ」
どうしてだろう。
その言葉と結びつかない。
必死に働いてきたというセリフが彼女とはギャップがある。
それはその美しさのため?
私は声を出せないかわりに、頭を横に振る。
「ありがとう。怖かったでしょうに」
こうして間近で見ると、あらためて麻生くんのお母さんの美しさにはっとなる。
高校生の息子がいるとはとても思えないほど、美しく、そして艶やかだった。
「私ね、夫と死に別れているの。十年前に、事故で」
そんな悲しげな微笑みも妖艶で女の私ですらどきっとしてしまう。
「夫は小さな芸能プロダクションを経営していたの。だから、夫が死んだあと私が社長となって必死に働いてマコを育ててきたわ」
どうしてだろう。
その言葉と結びつかない。
必死に働いてきたというセリフが彼女とはギャップがある。
それはその美しさのため?