【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
放課後、家に帰ろうと靴を履き替えていると、靴箱の向こうから話し声が聞こえてきた。
「ねえ、聞いた?」
「何が?」
二人の少女のうち、片方はランだった。
私はその会話に釘付けになる。
「麻生くんさ、転校するって噂だよ」
「ふうん」
「ふうんて、ラン、驚かないの?」
会話の相手の声はひっくりかえりそうな勢いだった。
それでもランは、言葉一つ乱すことなくこう答えた。
「驚くってどうして? このままじゃ出席日数足りなくなるし、転校するのもありだよ」
「ねえ、聞いた?」
「何が?」
二人の少女のうち、片方はランだった。
私はその会話に釘付けになる。
「麻生くんさ、転校するって噂だよ」
「ふうん」
「ふうんて、ラン、驚かないの?」
会話の相手の声はひっくりかえりそうな勢いだった。
それでもランは、言葉一つ乱すことなくこう答えた。
「驚くってどうして? このままじゃ出席日数足りなくなるし、転校するのもありだよ」