【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
暗がりの部屋の内側でカーテンをかき乱しながら、ランを説得しようと必死の私。

お願い!

ラン、言うこと聞いてよ。

あっちのマンションの人には関わらないほうがいいんだってば。



そんな私の必死の願いを神様は聞き入れてはくれなかった。





――かつん。



何かが窓に当たった。



「何、今の音?」


ランの目が輝いていた。

私の制止はもはや彼女にはなんの意味も持たない。

迷うことなく、彼女はサッシを開けた。

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