【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「は、はじめまして…」

視線を合わさないよう、うつむき加減のまま、私はとりあえず挨拶をした。

すると、その彼はこう言った。

「この前はどうも。脅かせちゃってごめんね」


――っつ???


この人、やっぱり忘れていない。


っていうか、この男が、あの男ってわけね。



「えー何、何? アヤ、お知り合いなの~?」


ランがほっぺたを膨らませている。


「違うって、知り合いとかじゃないから」


私が小声で制してもなんの効き目もない。


「なんか隠してる~。怪しいんだ!」





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