【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「沢木さんも僕のこと怖いんだ…」
心なしか沈んだような彼の声。
「ううん、そういうわけじゃ…」
「沢木さん、この前言ったじゃない。まるで復讐みたいって…」
あの日、麻生くんを逆上させた私の言葉。
責められているようで胸が痛んだ。
「ごめんなさい…」
「ふっ。否定しないんだ…。僕もずいぶん落ちたもんだね」
麻生君は笑っていた。
ううん、泣いていたのかもしれない。
インターホンから聞こえる彼の声は、搾り出されるように途切れ途切れになっていた。
嗚咽にも似ていた。
心なしか沈んだような彼の声。
「ううん、そういうわけじゃ…」
「沢木さん、この前言ったじゃない。まるで復讐みたいって…」
あの日、麻生くんを逆上させた私の言葉。
責められているようで胸が痛んだ。
「ごめんなさい…」
「ふっ。否定しないんだ…。僕もずいぶん落ちたもんだね」
麻生君は笑っていた。
ううん、泣いていたのかもしれない。
インターホンから聞こえる彼の声は、搾り出されるように途切れ途切れになっていた。
嗚咽にも似ていた。