【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「でも、お返ししてもらう前に、本当のことを教えてあげるよ。せっかくだから」

そう言うと一瞬彼は私の視界から消えた。



がちゃ。


冷蔵庫を開けた。



そして


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これはコルクの抜ける音。



「まずはさ、前祝いさせてよ」


再び戻ってきた彼は、テーブルにシャンパングラスを二つ並べ、その一つを透き通った気泡がいっぱいの液体でゆっくりと満たした。
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