【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「自分が身を引いて相手の幸せを願えって言うのか? まったくなんにもわかってない子どものセリフだよ。おまえはさ、本当に人を好きになったことがないから、そんなことを言えるんだ。本当に好きになったら、人間てのはな、すべてを得たいって思うんだ。心も体もすべてをだ」
「それが大人の愛だっていうの? だったら私はそんなのいらない。愛する人を傷つけることが本当の愛情だなんて思えない」
「傷つける?」
一瞬RYOさんの言葉が震えたように思えた。
「そうだよ。第一、そんなことをしたってきっと何もえられない。彼女の心も体もあなたから離れていく」
「黙れ! おまえらガキなんかにわかってたまるかよ。俺がどんな思いをしてやっとリサコを取り戻したかを。それを、あんな…あいつの分身にまた盗られるとしたら…。殺してやりたいって思って当然じゃないか」
きっと彼は悪魔に魂を売ってしまった。
リサコさんを手に入れるためならどんなことだってやってのけるのだろう。
そんなことをしても手に入れることなんかできないのに…。
「それが大人の愛だっていうの? だったら私はそんなのいらない。愛する人を傷つけることが本当の愛情だなんて思えない」
「傷つける?」
一瞬RYOさんの言葉が震えたように思えた。
「そうだよ。第一、そんなことをしたってきっと何もえられない。彼女の心も体もあなたから離れていく」
「黙れ! おまえらガキなんかにわかってたまるかよ。俺がどんな思いをしてやっとリサコを取り戻したかを。それを、あんな…あいつの分身にまた盗られるとしたら…。殺してやりたいって思って当然じゃないか」
きっと彼は悪魔に魂を売ってしまった。
リサコさんを手に入れるためならどんなことだってやってのけるのだろう。
そんなことをしても手に入れることなんかできないのに…。