【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「ごめんね、ごめんね、RYO。私が悪いの、私が全部悪いの…」
そう言うとリサコさんはもう一つのシャンパングラスのグラスの部分をかき、とがった柄の部分を自分の喉に突き刺した。
「やめろ、母さんっ!!!」
麻生くんの悲鳴にも似た声が耳をつんざく。
縄に縛られ自由を失った麻生くんは、床を這いながらリサコさんのもとにたどりついた。
そして――。
「どうして? どうしてなんだよ? なんで母さんが死ななくちゃいけないんだよ?」
悲痛な叫び声がサイレンのように何度も何度も繰り返されていた。
――ピンポン、ピンポン、ピンポン。
何度も呼び鈴が押されたあと、飛び込んできたのはランと数人の男だった。
「警察だ! 氷室亮介、未成年者略取誘拐の疑いで逮捕する」
室内の状況を見た男たちは態度を一変させる。
「おい、救急車だ。早く!」
血だらけの二人を見て男たちは救命行為に移った。
そして――。
「アヤ、大丈夫? アヤ!」
真っ赤に目を泣き腫らしたランの顔がそこにあった。
そう言うとリサコさんはもう一つのシャンパングラスのグラスの部分をかき、とがった柄の部分を自分の喉に突き刺した。
「やめろ、母さんっ!!!」
麻生くんの悲鳴にも似た声が耳をつんざく。
縄に縛られ自由を失った麻生くんは、床を這いながらリサコさんのもとにたどりついた。
そして――。
「どうして? どうしてなんだよ? なんで母さんが死ななくちゃいけないんだよ?」
悲痛な叫び声がサイレンのように何度も何度も繰り返されていた。
――ピンポン、ピンポン、ピンポン。
何度も呼び鈴が押されたあと、飛び込んできたのはランと数人の男だった。
「警察だ! 氷室亮介、未成年者略取誘拐の疑いで逮捕する」
室内の状況を見た男たちは態度を一変させる。
「おい、救急車だ。早く!」
血だらけの二人を見て男たちは救命行為に移った。
そして――。
「アヤ、大丈夫? アヤ!」
真っ赤に目を泣き腫らしたランの顔がそこにあった。