【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
「ね、アヤさ。明日勉強教えてくれない? 私さ、数学ちゃんと勉強したくなってきた」

「え、ほんとに? 私も明日ランに教えてもらいたかったのに」

「何を?」

「普通の女子高生のあり方を!」



私たちはおなかを抱えて笑いあった。

いっぱいいっぱい笑って、いやなことは忘れちゃおう。



でも、いつの間にか笑いは涙に変わっていて…。



もう一度私たちはぎゅっと抱きしめあった。




そして、口には出さなかったけど、二人とも心の中で言ったんだ。



『さよなら、麻生くん。絶対に幸せにならなくちゃだめだからね』


って。
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