【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
え…?

なんでそんなこと知ってるの。

どうして?

誰にも打ち明けたことなんかないのに。



隣の男はそのまま鼻歌を歌いだした。

私を警戒させないため?

それとも本当にリラックスしているの?

私は身を硬くしたまま、いくつも湧き出る疑問の答えを探し続けるほかなかった。

男はそのまま軽快に車を飛ばし、路地に入った。

そしてすぐにウインカーを出す。



やがて、車は地下へと吸い込まれていった。

ここってもしかしたら。

男のマンションの地下駐車場ではないだろうか。

はっきりは見えないが、見覚えのある車がいくつも並んでいる。




< 59 / 353 >

この作品をシェア

pagetop