【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~
体の芯をぎゅっとわしづかみにされたような気がした。

普段は何も感じない臓器が動き出したかのような感覚。

彼は…。

何をするつもりなんだろうか。

フローリングは床暖房が設置されているのだろう。

心地よいぬくもりが足の裏を通して全身をめぐる。

そう。

こんなにも私の体が熱いのはきっとこのフローリングのせい。

だっておかしいもの。

私の体はまるで熱病の患者のように、ほてったまま冷める様子がない。
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