虹叶×嵐〜あたしの好きな人。〜
1.あたしの好きな人
あたしの好きな人には好きな人がいる。
「虹叶、早くしないと学校遅れるよ?」
あたし、星出嵐のパートナーは宇貝虹叶。
顔はいいし、成績も優秀だし、いい奴…
なんだけど。
「あぁ、今行く」
玄関で待ってるとこれといって急ぎもせずネクタイを締めながらやって来た。
「あっ、靴下!また左右違うの履いてるよ!?」
「…間違えた」
全く表情も変えなければ焦った様子も見せない。
いい奴…なんだけど、ちょっと天然なのだ。
「先に外で待ってるからね!」
「あぁ」
虹叶を置いて玄関から出た。
ガチャっと開けた瞬間、おはようございます!とイキイキした柔らかい声が飛んできた。
「星出さんたちも今から学校ですか?タイミングが合いましたね!」
ふわふわした雰囲気であたしとはまるで違う、この学園のトップペアの倉下初ちゃん。
「みんな同じ学校通ってんだから普通に会うでしょ」
と、その彼氏の鮫上紺。
仲良く手を繋いで登校なんて虹叶には見せられないな。
だって虹叶は…
「倉下!おはよう!」
サッとあたしに背中を向けるように虹叶が入り込んできた。きっと初ちゃんの声を聞いたから。
「おはようございます、虹叶くん!」
「おっはよ~、宇貝」
「お前には言ってない!」
あーぁ、見ない方がよかったのに。
朝から初ちゃんに会えて嬉しいだろうけど、その後悲しそうな顔しないでよ。
手を繋ぐ2人の後ろ姿見て、あたしはそんな虹叶の後ろ姿を見て。
顔はいいし、成績も優秀だし、天然なとこも可愛かったりして、でも…
好きな相手はあたしじゃない。
それが少しだけ、虹叶の好きじゃないところ。
“実らなくても恋は恋だ、大事にしていいんだ”
って言われたあの日から、まだ変わらず虹叶の気持ちは倉下さんにある。
あたしを想ってくれる隙間なんて一切ないんだろうけど。
でも、ちょっとだけでも想ってくれたらいいのに。
「虹叶、早くしないと学校遅れるよ?」
あたし、星出嵐のパートナーは宇貝虹叶。
顔はいいし、成績も優秀だし、いい奴…
なんだけど。
「あぁ、今行く」
玄関で待ってるとこれといって急ぎもせずネクタイを締めながらやって来た。
「あっ、靴下!また左右違うの履いてるよ!?」
「…間違えた」
全く表情も変えなければ焦った様子も見せない。
いい奴…なんだけど、ちょっと天然なのだ。
「先に外で待ってるからね!」
「あぁ」
虹叶を置いて玄関から出た。
ガチャっと開けた瞬間、おはようございます!とイキイキした柔らかい声が飛んできた。
「星出さんたちも今から学校ですか?タイミングが合いましたね!」
ふわふわした雰囲気であたしとはまるで違う、この学園のトップペアの倉下初ちゃん。
「みんな同じ学校通ってんだから普通に会うでしょ」
と、その彼氏の鮫上紺。
仲良く手を繋いで登校なんて虹叶には見せられないな。
だって虹叶は…
「倉下!おはよう!」
サッとあたしに背中を向けるように虹叶が入り込んできた。きっと初ちゃんの声を聞いたから。
「おはようございます、虹叶くん!」
「おっはよ~、宇貝」
「お前には言ってない!」
あーぁ、見ない方がよかったのに。
朝から初ちゃんに会えて嬉しいだろうけど、その後悲しそうな顔しないでよ。
手を繋ぐ2人の後ろ姿見て、あたしはそんな虹叶の後ろ姿を見て。
顔はいいし、成績も優秀だし、天然なとこも可愛かったりして、でも…
好きな相手はあたしじゃない。
それが少しだけ、虹叶の好きじゃないところ。
“実らなくても恋は恋だ、大事にしていいんだ”
って言われたあの日から、まだ変わらず虹叶の気持ちは倉下さんにある。
あたしを想ってくれる隙間なんて一切ないんだろうけど。
でも、ちょっとだけでも想ってくれたらいいのに。
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