虹叶×嵐〜あたしの好きな人。〜
2.あたしのクリスマス
「寒…っ」

終業式が終わって今日から冬休み、街に出て見たら風が冷たくてびっくりしちゃった。
あとこんなにもイルミネーションで煌めいてるのにもびっくりしちゃった。

そっか、今日はクリスマスだ。

あまりの寒さに通りかかったカフェに入った。

何か温かい飲み物でも飲んで温まろうかな。

…びっくりしたと言えば、昨日の鮫上の告白。

あれもびっくりしたな。

あんな公衆の前で、生徒も先生もいる終業式で堂々と告白しちゃうんだもん。

「いらっしゃいませ、何にしますか?」

「あ、えっと…」

セルフタイプのカフェでカフェラテを頼んで、窓際の席に座った。

外はせわしなく歩いていく人ばかりで、みんなどこか行く場所が決まってるみたいだった。

「…今日はクリスマスだしね」

あたしには出来ない、あんな告白。

だってあたしの恋に勝算はないから。

だからこうやってクリスマスの日にカフェで1人、こうしているんだもんね。

チラチラと雪が降り始めた。

今日はホワイトクリスマスだね。

虹叶は何してるかな?
実家に帰るって言ってたから、もう帰っちゃったかな。

窓際の席なんか座るんじゃなかった。

幸せそうなカップルばっか目に入って、温かいはずのカフェラテも全然温めてくれそうにない。

「クリスマスか…」
< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop