貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
「なんだか楽しそうな話をしていたようだけど、それ、誰の話なの?」
神山透は紺野洋子との距離を取らせるように、私を後ろに下がらせると彼女に向き直り、今まで聞いたこともないような感情の読めない硬い声で、紺野洋子に語りかけた。
「ねえ紺野さん。僕と君とはもう無関係だよね?付き合っていないよね?僕は、君に何回もそう言ったよね?」
「……だって私はそんなの認めていないもの!了承できないもの!!」
いつもの人形めいた愛らしさはどこへやら。気性の荒い野良猫みたいに目をギラつかせ、髪を逆立てんばかりに噛みつく紺野洋子に、神山透は一呼吸置いて話を続ける。
「じゃあ別の話をしようか。僕は君と付き合う時に『君が大事だから』なんて言ってたよね?そして君に指一本触れたりしなかったよね?僕は君を自宅に一度も呼ばなかったし、君の家にも行ったりもしないし、ましてや二人きりになんてなったこともなかったよね。ねえ、それってどうしてだったかわかるかい?」
「それは言葉の通り、私のことが大事だからでしょ?」
絶対的な自信があるのか、胸を張るように紺野洋子は堂々と答えるが、そんな彼女に神山透は首を縦に振ったりはしなかった。
「いいや違う。そうじゃない。」
そしてバサリとその言葉を切り捨てると、目を細めてこう話を切り出すのだった。
「ねえ、僕と君がホテルに行ったという、あの日のこと覚えている?」
神山透は紺野洋子との距離を取らせるように、私を後ろに下がらせると彼女に向き直り、今まで聞いたこともないような感情の読めない硬い声で、紺野洋子に語りかけた。
「ねえ紺野さん。僕と君とはもう無関係だよね?付き合っていないよね?僕は、君に何回もそう言ったよね?」
「……だって私はそんなの認めていないもの!了承できないもの!!」
いつもの人形めいた愛らしさはどこへやら。気性の荒い野良猫みたいに目をギラつかせ、髪を逆立てんばかりに噛みつく紺野洋子に、神山透は一呼吸置いて話を続ける。
「じゃあ別の話をしようか。僕は君と付き合う時に『君が大事だから』なんて言ってたよね?そして君に指一本触れたりしなかったよね?僕は君を自宅に一度も呼ばなかったし、君の家にも行ったりもしないし、ましてや二人きりになんてなったこともなかったよね。ねえ、それってどうしてだったかわかるかい?」
「それは言葉の通り、私のことが大事だからでしょ?」
絶対的な自信があるのか、胸を張るように紺野洋子は堂々と答えるが、そんな彼女に神山透は首を縦に振ったりはしなかった。
「いいや違う。そうじゃない。」
そしてバサリとその言葉を切り捨てると、目を細めてこう話を切り出すのだった。
「ねえ、僕と君がホテルに行ったという、あの日のこと覚えている?」