貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
「やっと書き終えたあああ!!」

課題の5項目はなんとか書き終えた。

残業を少なくさせるには、
・人員を増やして一人あたりの仕事量を減らす
・受注する仕事の量そのものを減らす
・作業のマニュアル化を図り、特定の人に仕事が集中しないようにする
・イレギュラーな仕事はしない
・自分のスキルを上げて仕事の効率化を測る

……実際そんなことできるのか?という項目もあるけど、そんなことはもう知らん。私の頭ではこれが精一杯の回答だ。書くことに意義があるし、そもそも議論の対象とする為のネタなのだから、正解なんてなくていいのだ!(と、思うことにした)

用紙を通勤バッグにしまい込むと、部屋の隅で先程の宣言通り、大人しく本棚の漫画なんかを読んでいたイケメンにガバリと抱きつきながら声を掛けてやる。

「透さん、お待たせさせちゃった分、いっぱい、イチャイチャしましょう?」

私だって、神山透とイチャイチャするのをずっと我慢していたのだから!

神山透の両頬に手を添えそっと唇を合わせてやると、彼はほうっとため息を一つつきながら、

「郁子さんに早く触りたかったけど、僕、ちゃんと今回は『待て』できましたよ?」

と、ぎゅうと私を抱きしめてくる。
そんな仕草をされれば、なんだかこちらまで胸がきゅううんとして、

「じゃ、いい子のワンコにはご褒美あげないといけませんよね?」

と、言ってやると。
それを合図にして、ようやくイチャイチャが始まる私達なのだった。
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