貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
肩に届きそうな毛先をクリンと内巻きにして、ちょっとお高いスタイリング剤の力を使って艷やかにさせたヘアスタイルは、確かに数少ないチャームポイントの一つであると自負するところの私であるが、下心ありきで取ってつけたように褒められる為に日々のお手入れをしている訳では無いのである。
顔を傾げる振りをしながら目を逸らし、それとなくイケメンとの距離を再び確保すると、この状況を打破しようと試みる。
「う、うーん、髪を褒めて頂けるのは嬉しいですけど、だからといってそんな理由でお願いされましても、ねえ?」
「いえ、それだけじゃありませんよ?今日このお店に来るまで僕に気を使って色々気が紛れるような話をして下さってましたし、さっきだって僕の思い込みを丁寧に指摘してくれた上に、落ち込む僕の肩を叩いて慰めて下さっていたじゃないですか。そんな親切で優しい山本さんを信用したからこそ、誰にも相談できないような、こういったお願いをしたいと思ったんですよ。」
「えーとえーと、あ、そうだ!紺野さん!紺野洋子さんとお付き合いを、まだされてるじゃないですか!やっぱり彼女がいる方がそういうことを仰るのは、一応倫理上よろしくないんじゃないですかね?」
「大丈夫です。ここに来るまでに、取り急ぎメッセンジャーで交際解消したい旨は送っておきましたから。詳細は後で話をするとしても、相手に非がある案件ですから、こちらの言い分はすんなり通りそうなことくらい、山本さんもわかりますよね?」
携帯のメッセンジャーの文面を見せて、ニッコリ笑ってこちらに話し掛ける口調は優しげだが、なんだかとっても圧が強い。あ、この目つき、口調は、完璧に営業モードだコレ。
酒に酔った頭ではうまい反論が浮かばない。
その後も神山透は己の考えと私の責務とやらについて等々と発表をする。短時間に考え出されたとは思えない理路整然としたそのプレゼン内容は、聞き取るだけで精一杯。
すっかりポンコツになった私の頭で、同じく酔っているとはいえ会社の業績No.1のやり手営業マンの手腕に対抗できるはずもなく。
謎のイケメン理論に翻弄されて、気がつくと「わ、わかりました!やらせていだきますぅ~」と私は口にしているのであった。
顔を傾げる振りをしながら目を逸らし、それとなくイケメンとの距離を再び確保すると、この状況を打破しようと試みる。
「う、うーん、髪を褒めて頂けるのは嬉しいですけど、だからといってそんな理由でお願いされましても、ねえ?」
「いえ、それだけじゃありませんよ?今日このお店に来るまで僕に気を使って色々気が紛れるような話をして下さってましたし、さっきだって僕の思い込みを丁寧に指摘してくれた上に、落ち込む僕の肩を叩いて慰めて下さっていたじゃないですか。そんな親切で優しい山本さんを信用したからこそ、誰にも相談できないような、こういったお願いをしたいと思ったんですよ。」
「えーとえーと、あ、そうだ!紺野さん!紺野洋子さんとお付き合いを、まだされてるじゃないですか!やっぱり彼女がいる方がそういうことを仰るのは、一応倫理上よろしくないんじゃないですかね?」
「大丈夫です。ここに来るまでに、取り急ぎメッセンジャーで交際解消したい旨は送っておきましたから。詳細は後で話をするとしても、相手に非がある案件ですから、こちらの言い分はすんなり通りそうなことくらい、山本さんもわかりますよね?」
携帯のメッセンジャーの文面を見せて、ニッコリ笑ってこちらに話し掛ける口調は優しげだが、なんだかとっても圧が強い。あ、この目つき、口調は、完璧に営業モードだコレ。
酒に酔った頭ではうまい反論が浮かばない。
その後も神山透は己の考えと私の責務とやらについて等々と発表をする。短時間に考え出されたとは思えない理路整然としたそのプレゼン内容は、聞き取るだけで精一杯。
すっかりポンコツになった私の頭で、同じく酔っているとはいえ会社の業績No.1のやり手営業マンの手腕に対抗できるはずもなく。
謎のイケメン理論に翻弄されて、気がつくと「わ、わかりました!やらせていだきますぅ~」と私は口にしているのであった。