貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
うーん。シャワーどっちが先か問題!
地味に悩ましい。乏しいながらも過去の経験を思い出すが、入りたい人が先に入っていたような。……これじゃいまいち説得力がない。
昔の映画なんかのワンシーンを思い起こすと、男性が先で次いで女性に「君も入っておいでよ」とか言ってたような。うん、これだな。

先にイケメンを浴室に誘導し、とりあえずベッドに座って一息つくが、酔っぱらいにはこの布団の柔らかさがたまらない。
……いかん、眠くなってきた。

数分後、イケメンがバスローブ姿で浴室から戻ってきたので、そそくさと自分も浴室に飛び込み、シャワーを浴びる。

念の為隅々まで綺麗に洗って浴室からでて、バスローブを羽織る。さあ、これからどうしよう。

ドキドキしながら寝室に戻ると、目の前に見えるは、ラベンダー色に照らされた、体を丸めて無邪気な顔でスヤスヤ眠るイケメンの姿。

目を何度も擦って確認しても、そこにいるのは薄紫色に染まる、寝ている神山透なのであった。

……えええええーーー?????

先程までの緊張感が一気にアホらしくなる。

それからしばらく寝顔を覗き込んでいたが、神山透は全く起きる気配がない。仕方がないので布団をかけてやると、ゴロリと私もその隣に横になってみる。

今日は色々な出来事がありすぎた。

ほぅとため息を一つついてみると緊張の糸が切れたせいか、再び眠気が襲ってくる。
そして私はふわり大きく欠伸をすると、そっと瞼を閉じるのだった。
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