貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
『ねぇねぇこの雑誌の記事見た?ディープキスの練習には飴を転がしながら舐めるのがいいんだって!』

学生時代、放課後好奇心旺盛な友人がそんな話題をしていたことがあったが、当時の私はそもそもディープキスとはなんじゃらほい?と全く興味がわかない子どもであった。

ただ、その情報、今ならまあまあ納得できる。
飴を舌でコロコロ転がしてみるのって、案外エロいもんである。

そんな訳で、次に私が提案したのは舌で飴を弄ぶように舐めてみよう!ということだった。

どうやら神山透はディープキスにはあまり興味が無い様子。
しかしそれでは世の大人のお姉さま方にはご納得頂けないはず。これは絶対知っておいたほうが良いですよ!

そう熱くプレゼンしてみたところ、神山透は私がホテルに行く前にコンビニで買った、テーブルに出した小さい飴を興味なさそうに口の中に頬張るとグイと私を引き寄せた。

「ふぅん。じゃ、先生も一緒にやってみましょう?」

そして意地悪そうな笑いを浮かべると、再び唇を合わせてきたのだった。

口移しに飴を入れられると、飴を追って入ってきた神山透の舌がぎこちなくうねうね口内を動きまくる。
う、わぁ、この感じ、ものすごく久しぶり!!何年かぶりの気持ちよさに肌が粟立つが、これではいけない。これは神山透の為のレッスンなのだ。
飴を必死に神山透の口内へと舌で追いやり、今度は私の舌を神山透の口内に侵入させて、飴とお互いの舌をクチュクチュ絡み合わせる。

最初こそ驚いたように体をびくりとさせた神山透だったけれど、段々体の力も抜けてくる。
そのうちお互いの体に腕を巻きつけて、密着する顔の角度なんかも変えちゃったりしながら夢中で飴をお互い行き来させて、私達は、深く深く口づけをする。

飴の味はイチゴ味。
けれど、飴が溶けてなくなった後も、舌と舌が絡み合う、甘い甘いレッスンは続けられたのであった。

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