貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
家を出る前に準備をしておいたという神山透は、手際よく食器と食材を並べて食卓の準備をしていく。さすがスパダリと評判なだけあって、段取りに隙がない。
何か手伝うかと聞いてみると、お客様は座って待っていて下さいねとの返事だが、手持ち無沙汰なので結局助手を買ってでる。

「なんだか新婚さんみたいですねぇ」

照れくさそうにこちらを見ながら調理をするイケメンだが、いやいや新婚どころか我々付き合ってもいませんけどね?
ツッコミどころは多々あるが、乙女の様にはにかみながらそんな事を言われてしまえば敢えて訂正するのも忍びない。
その言葉は聞こえなかったものとして、シェフのサポートに徹する私はお皿を渡したりゆで卵の殻を向いたりと忙しく手を動かすのだった。

そうしてできた料理を次々にテーブルへと並べて席につけば、素敵なディナーの始まり始まり。
今夜のメニューは白いご飯と卵の黄身が鮮やかなミモザサラダ、ベーコンと野菜のスープ、そしてメインは高級牛肉のステーキ。

どうやら山形県に出張した際に米沢牛を食べて、いたく気に入ったイケメンは、私にもお裾分けをと思ってくれたらしかった。セフレにまで気を配ってくれるその思いやり、感激である!!

そしてその食材はもちろんのこと、イケメンシェフの腕前もそりゃもう素晴らしいもので、美味しく楽しい最高の夕食の時間となったのであった。


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