貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
ちらりと神山透に目を向ければ、私が憧れてやまない甲薄幅狭の足が目に入る。

「神山さんが羨ましい」

思わず羨望の言葉が口に出ると、イケメンはフフッと笑うと愛でるように優しく爪先を撫でつける。

「僕は山本さんの足、可愛らしくて好きですよ。そういう足を好きな人もいるんですし、靴選びだって、最高に自分に合う靴に出会った時は、僕ら甲薄幅狭の足の人間に比べたら嬉しさも感慨深さも何倍にもなると思いますから、そういう楽しみな点を生まれてきた子には伝えて行ければいいんじゃないんですか?」

そう慰めてくれる一方では、

「まあでも僕の足に似た子も、色々な靴を履けるので、それはそれで楽しいとは思いますけどねっ。」

と、ついでに将来の自分の子供自慢もちゃっかりアピールしてくるものだから、生まれてもいないのにお互いの子供自慢かよ!となんだか可笑しくなってくる。
そしてしょんぼりした空気を一掃させてくれようとしたイケメンに、私は心の中で、ちょっぴり感謝するのだった。

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