貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
そう。この週末で私はついに、今まで見てみないふりをしてきた感情に気がついてしまった。

神山透のことが、好きだってことに。
ずっとそばにいて欲しい、大切な存在なんだってことに。


せっかく気がついたこの気持ちに蓋をして、このまま引き下がってよいものか。
……いや、それは嫌だ。このまま何もしないまま、神山透を手放すなんて嫌だ。

すぅっと息を吸い込み呼吸を整えると、紺野洋子に向かってこう言ってやる。

「確かに私と神山さんは付き合ってはいません。ご推測通り今の所、所謂セフレってやつです。けど、私は神山さんが好きなんです」

紺野洋子が神山透の彼女だなんて、嘘であってほしい。祈りを込めて、ダメ元で彼女に質問という名の攻撃を試みる。

「紺野さんは、神山さんとお付き合いされていると仰りますけど、週末は私と頻繁に過ごしていますよ?紺野さんと過ごす時間なんて、彼にはないんじゃないんですか?」
「あなたと週末過ごしていたからって、私と付き合ってないっていうことにはならないでしょ?」

< 98 / 144 >

この作品をシェア

pagetop