私だけに甘いあなたと恋をする
※※※



「ただいま帰りました」


「おかえりなさい。毎日遅いわね。まゆりがお昼に帰ってきたから響くんも夕方には帰ってくるかと思ってたわ」


「すみません。生徒が帰宅してからもしないといけないことがたくさんあって…。今日はテストの採点がありましたし…」


「そうなの?そういえばあの子、テストのこと何も言ってなかったわね」


後ろで聞こえる二人の会話。

ソファーで小さくなりながら盗み聞きしてるけど、お母さんがこっちを向いたのがソファー越しでも分かる。


「居るんでしょ。隠れてないで出てきなさい」


お母さんの言葉にそーっと顔を覗かせると、驚いたように笑う響ちゃんと目が合った。
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