私だけに甘いあなたと恋をする
「んで、ごめん。えっ…と、朝から来てるの珍しいって?」


同意の意味を込めて(うなづ)くと、困ったように首を傾けた。


「気が向いたら朝から来るようにはするつもり」


「気が向いたら…?」


鞄を机の横にかけ、森くんを見たまま椅子に座る。


「そ。今日だったらミワさんと一緒に追試受けるし」


にっこり笑う森くん。


「え…。だって追試って授業終わってから――」


「森くん」


喋っていると、頭上から声がした。

声に顔を上げると女の子が立っている。


「…で合ってるわよね?」


「そーだけど。何か用?」


相変わらずトゲトゲしい言い方。
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