私だけに甘いあなたと恋をする
「やるわけねーだろ」


「は?」


「勝手に決められて、挙げ句ちゃんとしろって…。誰がするかよ」


「そんなの私に言わないで」


二人の険悪な雰囲気に、教室の空気が張り詰める。


「ちょっとあなた達。朝から何言い合いしてるの」


声を掛けてくれたのは橋本先生。

気付かなかったけど、予鈴はとっくに鳴ってたみたいで。

皆がこっちを見ながら次々と席に着いた。


「麻田さんも席に着きなさい」


「でも、森くんが……」


「どうしたの?」


「学級委員やらないって言うんです」


森くんを指差し、眉間に皺を寄せて先生に抗議する。
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