私だけに甘いあなたと恋をする
「待ってて!準備してくるね!」


自分の部屋に駆け込み、引き出しから靴下を引っ張り出してきた。

ベッドに座って履いた後、鏡の前で全身を確認。


変なところ、無し!


洋服を手で払って形を整える。

好きな人との時間。

少しでもちゃんとしたところを見せたい。


「響ちゃん、お待たせ」


リビングを覗き、ソファーでお父さんと談笑している響ちゃんに声を掛けた。


「行こうか」


「うん」


「すみません、車お借りします」


「ああ、どうぞどうぞ。好きに使って」


お父さんから車の鍵を受け取った響ちゃんが、あたしの方へやってくる。
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