私だけに甘いあなたと恋をする
「ミワさんって、下の名前何ての?」


「え…。まゆり…だけど…」


何で下の名前?


「オッケオッケ。じゃ『まゆり』で」


「えっ!」


思わず声が出た。


「え、何?三輪さんどうかした?」


「えっ、あ…何でもないです…。すみません…」


先生の一言と皆の注目を一斉に浴び、背中がヒヤリと冷える。

後ろで、くつくつ笑う森くん。

何かもう昨日から振り回されっぱなしだ。


「まゆりサイコー」


「森くんはサイテーだよ」


心からそう思う。


「それ、サイコーの褒め言葉」


身を乗り出してきたみたいで、私のすぐ耳元で(ささや)いた。
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