私だけに甘いあなたと恋をする
「はぁーっ…」


長いため息を吐く響ちゃん。

その気持ち、痛いほどよく分かるよ。


「三輪さん」


「はいっ!」


突然呼び掛けられ、ピッと背筋が伸びた。


「彼の代わり、別の人に頼む?」


「え…」


「今のままだと、三輪さん一人押し付けられそう」


「……でも」


響ちゃんの言葉に皆の方を見ると、皆スーッと顔や視線を違う方向に向けてしまう。


皆、嫌だよね…。


「大丈夫です。森くん、悪い人じゃないし」


「……分かった。もし無理そうなら、また考えるからその時は言って」


「はい。ありがとう…ございます」


笑ってくれなくても、やっぱり響ちゃんは響ちゃんだ。
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