私だけに甘いあなたと恋をする

まさかの両想い

※※※



「お邪魔しまーす…」


車で数十秒の響ちゃん家。

歩いても一分以内に着けるほどの近所なのに、家に入るのは幼稚園の頃以来。


「どうぞ。掃除してないから汚いかもしれないけど」


まだ日も暮れていないのに家の中は薄暗くて。

響ちゃんが家じゅうの電気を点けて回っている。


「暗いと思ったら、シャッター閉めてるんだ…」


「空き巣に遭わないようにと、少しでも日差しから壁紙とかの劣化を防ごうと思って」


「へぇー」


そんなこと考えてるんだ…。

やっぱり大人は違うなー。


そんなことを考えていたら


「まゆ、こっち」


二階に上がった響ちゃんが私の名前を呼んだ。
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