私だけに甘いあなたと恋をする
「まゆの血に狂いそう…」


「狂…う…?」


「しばらく血が吸えなかったこともあるけど、まゆの血は甘くて自制が効かなくなる」


私の指に一本ずつ絡んでくる響ちゃんの指。


「まゆを傷つけてしまいそうで…」


「……私の響ちゃんに対する恋心は、そんなものじゃ折れないよ」


昨日の一瞬、素顔を見たことで響ちゃんが吸血鬼なんだと自覚して。

怖いと思ったけど、それ以上に苦しそうな表情をする響ちゃんに何とかしてあげたいって思ったのも事実。


「響ちゃんが好きだから、響ちゃんの望むことに応えてあげたい」


振り返って響ちゃんを真っ正面から見つめる。
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