私だけに甘いあなたと恋をする
「先生、ここ……学…こ──」


「じゃあ家ならいい?」


牽制(けんせい)のつもりであえて『先生』って言ったのに。


『家なら』


その言葉でこれ以上のことを想像して顔がいっぺんに熱くなった。


「そうだね、家にしよっか。他にも聞きたいこといっぱいあるし」


スカートからスッと手が離れホッとしたような、もっと触れていてほしかったような複雑な気持ち。


「聞きたいことって…」


何だろ…。


「何だろね」


にっこり微笑む響ちゃん。

でもその笑顔には何とも言えない怖さもあって。


何か…響ちゃん、怒ってる…?


夜までドキドキしながら待つことになった。
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