私だけに甘いあなたと恋をする
「――っ…。も、ダメ……」


座ってることもできなくなって。

椅子から崩れ落ちそうになった私の体を、響ちゃんがひょいと抱えあげた。


「ま、待って!私重いから!」


すごく細くて力なんてなさそうなのに。

軽々と持ち上げられちゃった。

しかもお姫様抱っこ。


「だいぶ薄まってはいるけど、俺にも吸血鬼の血が流れてるから普通の人間より力はあるよ」


ちょっと待って…。


「それって、私が重たいけど平気ってこと?」


「さあ、どうでしょう」


「もぉっ!響ちゃん!」


多少抵抗してみようと暴れてみるものの、びくともしなくて。

そのままベッドに運ばれて布団の上に寝かされた。
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