私だけに甘いあなたと恋をする
「響ちゃんっ!」


慌てて後を追う。

廊下に居た響ちゃんが振り返った。


「どうしたの?」


いつもと変わらない優しい笑顔。

それでも、私達の関係は前とは違うから…。


「……っ、えっ…と…あの……」


顔が見れなくて響ちゃんの足元を見ていると、止まっていた足がこっちに向かってくる。

私の前で止まるからゆっくり目線を上げて顔を見た。


「さっきのことだったら気にしないで。むしろ、困らせてごめん。俺が我慢するのは当然なのに、まゆりのこと考えずにそのままの勢いで突っ走りそうになった」


何で響ちゃんに謝まらせてるの…。

受け入れる覚悟を決めたって言ったのは私なのに。
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