私だけに甘いあなたと恋をする
「えっと……。もし間違いじゃなかったら、結婚…とか?」


「うん」


悲しそうな表情から一転、にっこり微笑んでくれる。

昔みたいに儚げな印象はだいぶ薄れたけれど、それでもやっぱり(たくま)しいとは程遠くて。


「小さい時のまゆしか記憶になかったから、ずいぶん大人になった気がする」


「え…、でも私まだ中三だよ。今年受験生」


「そっか。ってことはまだ十五…?」


「うん」


「まゆと一回り離れてるんだ…。同じ干支だね」


「えっ!響ちゃん、そんなに年上だったの!」


もっと歳が近いかと思ってた。
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