私だけに甘いあなたと恋をする

母side

※※※



目の前にまゆりと響くん。

右隣にはお父さん。

重苦しい雰囲気のためか、目の前の二人の視線は下の方を向いている。


「二人共、こんな状況になってる原因は分かってる?」


私の言葉に顔を見合わせる二人。

隣を見ると、新聞に目を落とし知らんぷりを決め込むお父さん。


「……分かんない」


上目遣いでまゆりがボソッと(つぶや)いた。


「昨日」


「昨日?」


「テスト勉強するっていうから、あなたの部屋に飲み物持って行ったんだけど…」


それで何かを察したのか、目を丸くして私を見るまゆり。
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