私だけに甘いあなたと恋をする
「まゆり」


小指の背で私の唇に触れるから、背中がぞくぞくして全身に鳥肌が立った。


「――っ、な…に…?」


耳が痛くなるぐらいうるさい心臓の音。


「キス、していい?」


いつも何も言わないのに、何で確認するんだろ…。


「ん」


そう言って頷くと、おでこ、(まぶた)、目尻、頬骨、と上から順番にキスが降ってきた。


「はぁ…」


テレビも点いてるはずなのに、お互いの熱い息遣いしか聞こえない。


「響…ちゃ…、んっ…」


お互いを確認するように一本ずつ指を絡ませて。
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