私だけに甘いあなたと恋をする

突然の同居

※※※



(きょう)くん」


お母さんの言葉に響ちゃんが振り返る。


「この度は本当にご愁傷(しゅうしょう)様です」


「お心遣い、恐れ入ります。生前は両親が大変お世話になりました。本日はご参列いただきありがとうございます」


黒のスーツを身に(まと)い、少し悲し気な表情をする響ちゃん。

おじさんとおばさんが亡くなったという話を聞いて、家族でお通夜に参列することになった。

響ちゃんが育った上村(かみむら)家と私、三輪(みわ)家はお互いの家が近い。

昔は家族ぐるみでお付き合いしていたけど、少し年上の響ちゃんが高校に進学する頃には私達の距離は開き、親同士だけの付き合いに。
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