私だけに甘いあなたと恋をする
「買い物、行こっか」


突然差し出される手。


その手を取ると、ぐいっと引っ張り起こされて響ちゃんの懐に飛び込む形になった。

そのままぎゅっと抱き締められる。


「少しずつでいいから」


「え?」


「少しずつ受け入れていってくれたらいいから、その……最後までするとか(あせ)らなくて大丈夫だよ」


『襲っちゃうよ』ってことに対して私がした返事のことだよね。


「ん…。ありがと」


今はまだキスだけでいっぱいいっぱいで。

その先なんて、全然追いつけてないけど。

だけど、響ちゃんとなら…って思えるから。


その時まで待っててね。
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