私だけに甘いあなたと恋をする
響ちゃんの姿を盗み見る。

ご飯も食べ終わり、コーヒーを手にリビングでお父さんと談笑する響ちゃん。


やっぱり、妄想なのかな…。


小さい頃は、太陽の下に居るよりも薄暗い部屋に居る方が似合う、そんな儚げな男の子だった。

一回りも離れているのに、私のおままごとに付き合ってくれて、夫婦の役も嫌がらずにやってくれた。


その響ちゃんとキス───…。


私の視線に気が付いた響ちゃんと目が合い、顔が一気に火照る。


「まゆ」


コーヒーを手にしたまま私の元へやってくる響ちゃん。
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