私だけに甘いあなたと恋をする
「すみません」


少し離れたところからこちらを見ていた店員に声を掛ける響。


「これ下さい」


「かしこまりました」


「えっ、え?」


何?

どーゆーこと?


「少し遅くなったけど入学祝い」


そう言って笑う。


「え、そんなのいーよ」


「じゃあ、付き合い始めた記念」


え――っ…。


「でも…」


「俺の気持ちだから受け取って」


そんな風に言われたら断れなくて。


「……ありがと」


「嬉しくない?」


眉を寄せ、悲しそうな表情。


「嬉しい…けど、お金使ってまで…」


申し訳ないというか…。
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