私だけに甘いあなたと恋をする
「俺は大人だし、遠慮しないの」


ホッとした顔になって私の頭を撫でた。


「受け取ってくれる?」


「うん」


気持ちは素直に嬉しい。


「箱にお入れしますか?」


「あ…いえ、そのままで」


「かしこまりました。ではお会計させていただきますね」


「ちょっと行ってくる」


レジが少し離れたところにあるみたいで、店員と響のやり取りを聞いていた私はこくんと(うなづ)いた。


本当(ほんと)に良かったのかなぁ…。


響の気持ちは本当に嬉しいんだけど、私は何も買ってあげられないのに買ってもらうのは心苦しいというか…。

少しモヤモヤ。
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